【岡山市北区】岡南町にある「涅槃(ねはん)像」の巨大壁画について調べてみました。
今回ご紹介するのは、北区岡南町のブロック塀に描かれた巨大な ”壁画”。
岡山市立中央図書館を利用する際などによく通るので、この壁画の存在はずっと以前から気になっていました。
「涅槃(ねはん)像」だということは分かりますが、どのような経緯で描かれたものなのかずっと分かりませんでした。
◆壁画の場所
↑地球と蓮の花の脇に「街区表示板」が設置されています。
↑街区表示板には、”北区岡南町1丁目 6 ” とあります。
↑方向を変えて見ると、道路の向かいには「岡山市立中央図書館」があります。
◆やっと会うことができました。
ブロック塀があるのは工事会社の資材置き場らしい場所。
ブロック塀の持ち主であれば、きっと何か知っているはずだと思い、これまでに何度となく訪ねてみましたが、タイミングが悪いのかいつも不在。
そんなある日のこと…
2022年12月中旬、たまたまこの道路を通りかかったところ、資材置き場に関係者らしき人の姿。
早速お声掛けしてみたところ、こちらの工事会社の社長でした。
お話を伺ってみると、12年ほど前に壁絵が描かれたことが分かりました。
壁画を描いた作家さんは、当時岡山市内に住んでいた方で、ブロック塀の大きさや縦横の比率がちょうどよいので絵を描かせてほしいと頼んできたそうです。
作家さんの想いを聞き入れて壁画の制作が始まりましたが…
壁画は当初想像していたよりもはるかにクオリティーが高く、塗料代の足しにでもしてもらえればと、いくらか寄付もしたと当時を振り返りながら教えていただきました。
絵の出来映えは評判となり、山陽新聞にも掲載されたほどだったそうです。
ただ、残念ながら、当時の新聞や作家さんの名刺などは残っていないとのことでした。
◆新聞記事を特定
駄目で元々、山陽新聞を発行する「株式会社 山陽新聞社」に事情を説明して、そのような記事が存在するのか問い合わせたところ、調べていただけることに。
その結果、2010年3月4日の山陽新聞朝刊26面に掲載されていることが分かりました。
◆岡山県立図書館にあった新聞記事
早速、岡山県立図書館で当時の記事を確認することに。
およそ13年前の朝刊ですが、書庫に保管されていることが分かり、取り出して頂き閲覧しました。
記事には写真も添えられていて、現状よりもずっと色鮮やか。壁画は ”涅槃像” と紹介されていました。
↑新聞記事の写真もだいたいこのようなアングルで、釈迦の足先まできちんと写真に収められていました。
更に新聞記事の写真には、釈迦の左手付近に男性の姿が写っているのですが、その人物については、記事で触れられていませんでした。
記事によると、
壁画のサイズは長さ約25m、高さ約2.5m。
「近くの水道工事会社が所有する資材置き場の塀に1月、市内の作家が許可を得て、スプレー塗料で描いた」
(2010年3月4日 山陽新聞 朝刊26面 ”緑地帯” より引用)
とありました。
工事会社の社長様、山陽新聞社、岡山県立図書館からご協力をいただき、この涅槃像が2010年1月に制作されていたことが分かりました。
美術館に展示されている絵画を順に見て回るように、ブロック塀を端から端まで鑑賞していると、日本が正面に描かれた地球や、雲、小鳥、蓮の葉、UFOなども描かれていることが分かります。
↑Google ストリートビューでは、色鮮やかな2011年1月頃の壁画の様子が記録されていました。
◎今回は北区岡南町のブロック塀に描かれた涅槃像のご紹介でした。
涅槃像が描かれたブロック塀がある場所はこの辺り↓